2010年09月23日
駐屯地・基地のご紹介(その2)
本日は、自衛隊の「航空学生」の採用試験でした (航空学生という制度の詳しい内容についてはこちらをご覧ください)
将来、彼らのうち何人かが航空自衛隊や海上自衛隊のパイロットとして、この広い大空を駆けることになるのだと思うと、試験官をしていた自分も身が引き締まる思いでした
これから2次試験・3次試験と続きますが、頑張ってほしいものです
今回については、前回「霞目駐屯地」についてご紹介して以来、しばらくぶりにこのカテゴリー(自衛隊の駐屯地・基地)の記事をアップしようと思い、ただいまパソコンに向かっております
本日ご紹介する駐屯地は、多賀城市にあります陸上自衛隊の「多賀城駐屯地」です
多賀城という地域は、遠い昔、陸奥国一帯を治めていた国府が設置されており、古くから国防の要として重要視されてきたところで、この駐屯地はこの街の南東に位置しています 歴史的にみると、昭和29年に当時の市民のみなさんの熱烈な誘致運動によって、福島から陸上自衛隊の部隊が移駐して開庁しました
そして、昭和36年8月に、現在の駐屯地の主力部隊である第22普通科連隊 ( この部隊のご紹介はWebサイトをご覧ください)が仙台から移駐し、翌年37年の8月には第1教育連隊 (現:第119教育大隊 この部隊は、東北で採用となった陸上自衛隊の新しい自衛官候補生と一般曹候補生の最初の教育を行います。その他には、予備自衛官補の教育なども担当してます ※いわゆる新人教育を担当してます)が、平成11年3月には第38普通科連隊 ( この部隊は、日頃は予備自衛官や即応予備自衛官の教育や訓練を行ってますが、仮にきなくさい事態(どっかの国が攻めてきたとか等)が発生した場合には、即応予備自衛官や予備自衛官がこの部隊に配置されて防衛任務に携わることになります)が青森県の八戸市から移駐し現在に至ってます
というようにこの駐屯地にはいろいろな部隊が所在していて、日頃は駐屯地の中で教育や訓練にいそしんだり、地域のイベントなどに様々な形で協力しております
松島ハーフマラソン大会において野外炊事車で牡蠣鍋を調理する隊員
防災フェスティバルにおける自衛隊装備品の展示と見学する市民の皆さん
でも、実は宮城県民の皆さんの安全と平和にもっとも貢献しているのも、ここに所在する部隊、特に第22普通科連隊なんです
みなさんはほとんど知らないかもしれませんが、陸上自衛隊の部隊は日本をいくつかの地域に区分して、警察や消防とは別にそれぞれ”隊区”と呼ばれる警備や災害派遣を担当する地域を持っています
特に第22普通科連隊は、仙台市をはじめ宮城県の大半の地域を”隊区”として担当しており、災害などが発生した場合は、要請に基づいて速やかに出動できる準備を常日頃とっているのです (知ってました)
第22普通科連隊が担当する”隊区”(色分けは各中隊が担当する地域を示す)
※仙南の地区を除き、県内北部~中部のほとんどが第22普通科連隊の担当する地域
岩手・宮城内陸地震で道路が寸断した地域で被災者を捜索する隊員
消防と協力して救助活動を実施する隊員たち
もちろん、上の写真のように、何かあったときにすぐに動けるのも、日頃から厳しい訓練している賜物なんですけどね
我々自衛隊は、警察さんや消防さんと違って、あまり人目に出ることが少ないので、日頃何をしているんだろうと疑問に思う方も多いでしょうが、第22普通科連隊のように広範囲の地域に住む皆さんの安全を守るため、「何かあったときにはすぐさま現場に出動し、どんなに困難な環境でも活動できる」ように日夜訓練しているのです
続きを読む2010年09月08日
自衛隊での意外なインターンシップとは!?
ご無沙汰しております 自衛隊宮城地本で勤務しておりますPRマンです
ここのところ、イベントやらナンやらがたて続いておりまして、おかげで全く更新ができず、定期的にこのブログに来ていただいている方々には、「一体何してんだガッテム」とお思いの方もいたのではないでしょうか 申し訳ありません
とお詫びはここまでにさせていただきまして、先月の8月23日(月)から27日(金)にかけて、我が自衛隊宮城地方協力本部の今年度からの初企画であります「インターンシップ」を行いました
このインターンシップでは、自衛官募集の業務という、一見、自衛隊のイメージ(ほふく前進とか射撃など)とは違う仕事をすることを通じて、一般の学生の方たちに自衛隊のことをもっと理解してもらおうと思いはじめたものです。
初企画ということもあって、企画した私自身も「どんなことになるのやら」と少し不安なところもあったのですが、実際にやってみたところ、意外にも大成功と言える内容のものにすることができました (もちろん、今回参加してくださった、6名の学生のみなさんのおかげなんですけれどもね)
では、どんな内容のインターンシップだったかを、以下、簡単ではありますがご紹介させていただきます
初日、23日月曜日、午前中は我々の部外施設であります「仙台駅東口案内所」の方で、自衛隊の仕事や業種、そして自衛官募集をどのように行っているか等など、ものすごくマクロな内容(日本の安全保障のようなこと)から、ミクロなこと(自衛官募集業務のやり方など)まで、事前の基礎知識をつけてもらうためにレクチャーを聴いてもらいました
※熱心にレクチャーに耳を傾ける学生たち
また、午後は苦竹にある仙台募集案内所で、実際に自衛官の募集業務を行っている広報官(募集の営業マンのような人たちです)と合流して、彼らが行っている募集業務に一緒に同行し研修を行いました。
※仙台募集案内所で所長と楽しそうに談話するインターン生の皆さん
24日火曜日は終日、県内にある各自衛隊の部隊の方で、現場の自衛官が行っている訓練を見学したり、いろいろな装備品を見たりして、実際に自衛官が日頃どのようなことをしているのかを見学しました (この日はむちゃくちゃだったので、とても暑くて見ているだけなのに体力消耗しました)
※多賀城駐屯地で行われた塹壕銃剣道訓練の様子
※第22普通科連隊の幹部自衛官が作戦会議を行っている所にもお邪魔してしまいました
※作戦会議が終わった後、連隊長の國友1佐と懇談までさせていただき、最後にはオリジナルピンバッジまでいただいちゃいました
※午後は航空自衛隊の松島基地でブルーインパルスやF-2戦闘機など、基地内を見学しました(とはいっても、あいにくその日は「航空祭」の後だったので、ほとんどの人たちは振り替え休暇をとってました 残念)
25日からは自衛官を募集する人の立場になって、募集PR用パンフレットのデザインを実際に企画してもらいました
もちろん「どんな人たちにどんな場所で、どのような効果をねらうのか」等などといろんなことを検討したり、実際に自分がPRしようとしている募集種目(自衛隊というのは目指す業種などによって色々な入り方がありまして、その入り方に関する区分のことを”募集種目”と呼んでいます)について、自分なりにリサーチしたりと、一筋縄ではいかず、インターン生たちはみんな苦労してました
※3つのグループに分かれて、それぞれ違う種目のパンフレットを企画している様子
予備自衛官補のパンフレットを検討している高橋さんと中村くん
一般幹部候補生と一般曹候補生のパンフレットを検討している星野くんと松ヶ根くん(一部、筆者も参加)
その他、自衛隊宮城地方協力本部のマスコットキャラの募集パンフレットを検討している安部くんと筆者の部下の佐藤直希(海上自衛官)3曹
最後の日(27日金曜日)は本部長以下、自衛隊宮城地方協力本部の広報関係者の前で、企画したデザインを発表しました
(みなさん、自分なりに一生懸命考えた結果をポリシーをもって発表してましたので、とても立派な発表でしたよ)
※発表会の様子
このように1週間と長いようで短いインターンシップでしたが、主催者側も参加者のみんなも積極的に、そして一生懸命になってやりましたので非常に充実して楽しいイベントにすることができたと思います
(時間に追われながら企画して、「ほんとに参加者集まるんだろうか」と不安になった時もあったけど、やってみて本当によかった)
参加してくれた学生のみなさんに、改めてお礼を言わせてもらいます。ありがとう~~~~ そして、これからもよろしくね
続きを読む