2011年04月01日

石巻市の現状

つい先日、業務の関係で石巻市に足を運びましたicon17

テレビでも放映されていましたが、実際に目にする街の現状は想像以上にひどいものでした涙↓
石巻市の現状

至るところに津波で流されてきた流木や車、そして建物のがれき等が散乱しており、自衛隊が道路を通れるように作業を行ったことで、ようやく車が通行できる状況になっているような感じでした。
ただし、避難所にはまだまだ多くの人たちがいるのですが、徐々に自宅に戻り生活をしている人たちも増えつつあるのは、日に日に復興へと一歩前進している兆しではあるようですicon24


しかし、こんな石巻市にも未だ問題が存在しているようです。
現地で勤務している知り合いの自衛官に話しを聞いたところでは、それは「避難所から各家庭に救援物資が届いていない!」ということでしたicon11

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?現状では自衛隊が行っている輸送支援や民間のボランティア輸送の協力もあり、「避難所」にはかなりの物資が全国から届いていますonigiri
なのに避難所から各人の自宅に物資が届いていないのですicon15
つまり、通常の流通では避難所から自宅に配送するところまでは支援できないということになりますface07

じゃあ、自宅から出て、避難所に物をとりにいけばいいじゃんicon12と思う方が多いのではないでしょうか?
けれども、話はそう簡単にはいきませんface15 現地では警察官が様々な業務に追われて不足し、グループで窃盗を行うなどの犯罪が横行しています涙
そして、家を空けるということは窃盗団にねらってくれと言っているのと変わりがないのですsunglassmen
(最近は警察官が他県からも増援され、一時期よりはかなり治安が改善しているとは思いますが・・・)

それでは、どうすれば良いのでしょうか?
考えられる方法としては、2つあります。

まず1つ目は、「市の職員や警察・自衛隊などが各家庭を訪問し、必要な物資を配達するicon27」というものです。
ただし、これには莫大な労力がかかります。

避難所の数が200近くあることからも分るように、石巻市は非常に広いため、このような方法をとるには市の職員や警察・自衛隊に加えボランティアなども含めて、総力で配達する必要があるでしょう。もちろん、そうした場合には自衛隊や警察は本来の仕事である、がれきの撤去や行方不明者の捜索などはできなくなってしまう可能性がありますface10

そこで2つ目の手段として考えられるのは、「各町内会等のコミュニティが自分達で協力しあって治安を維持し、物資の不足している家庭に援助を行う」というものですicon14
つまり、大災害などで行政機能や治安機関が一時的に麻痺状態にある場合には、町内会などの自治会に加入している人たちが協力し、メンバーの中で役割分担を決めて互いに助け合うことで、より安心した生活を自分達で作りだすことができるようになるのですface01

ここでコミュニティでできることの一例を挙げるとすれば、次のようなものがあるのではないでしょうか?

例えば、自警団をつくって町内をパトロールして治安を維持するですとか、どこの避難所にどのような物資が運び込まれるか情報を収集して、コミュニティのメンバーにチラシを作って配布することで、その情報を提供するなんていうこともできるでしょうし、病人やお年寄りのいるご家庭には配達チームを作って物資を宅配したり、もっと人間関係が親密であればヘルパーをしてあげるなんていうこともできると思います。
(このようなことをしていくには、当然、被災しているからといって、「自分達は何もできないface07」と思うのではなく、「自分達ができることは自分達でやっていこうグー(正面)」という気持ちが重要であることは言うまでもないでしょう)

また、この2つ目の方法は、実は「東松島市」では実践されている方法なのです!!face08
東松島市は、石巻市に隣接する市ですが、石巻市と同じように津波の被害を受けました汗
しかし、市の職員と自衛隊・警察などの働きに加えて町内会が上記のように機能したおかげで、他の津波被害のあった地域と比較して、かなり早いスピードで復興しつつあるのが現状だそうですチョキ


近年、東京や仙台などの都会では、「町内会」のようなコミュニティはだんだんと形成されない傾向にあります。
(皆さんも、マンションに住んでいる隣の人の顔も知らないなんていうのは、もはや当たり前なのではないでしょうかface18

今回の震災の教訓からいえることは、日頃「面倒だなあ~face10」と思っているご近所つきあいですが、震災発生時には、お互いに助け合うことのできる頼もしい関係を作りだす大切なものだということなのではないでしょうか?



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Posted by 自衛隊宮城地方協力本部のPRマン at 21:33│Comments(1)災害派遣
この記事へのコメント
石巻の蛇田地区では既にコミュニティーに対する配達が3週間くらい前から行われていますよ。
物資は各区長さんの所に配達され、そこから各班長さん、そのあと各家庭というようになっています。3日に1回ペースで行われているようです
Posted by てん at 2011年04月13日 17:44
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    コメント(1)